ポップ・コン開発の過程 

   


2009年春からの開発


ニッサン NV200 が、新型バネットとして発売されたことを期に、このお手頃なサイズで取り回しし易い NV200 を、キャンピングカーのベース車として、Build 


全長は440cmとコンパクトサイズだけに、小型車にこだわり、全高はあくまでも200cmを越えない事。

この高さの制限が、日本国内では意外と重要視され、立体駐車場の制限はもとより、団地の掘り込み型駐車場や、カーポートなどでも200cmがボーダーラインとして二分されるようです。


そして何よりも重要な事は、『外観からのスタイルを崩さない事』でした。




ポップ・コンが、キャンピングカーとして誕生するまでの過程を掻い摘んでご紹介いたします。

    (左車輌がポップ・コン、右車輌は架装前のニッサン NV200 です。)

                 

 お見せできる範囲内でご紹介いたします。

 2009年 春から作業を開始しました

      

ベース車輛が届くとクルマはばらばら状態に、そして事前に準備をしていた図面を基にルーフのカット部分の見極めを済ませ、補強の取り方、各所各種の採寸、型造りへと作業は入っていきます。

この着工までの所要時間が約1カ月。


左写真のポップアップルーフが取り付けられるベースのルーフ部が出来上がらないとポップアップするルーフ自体もできません。

一般的には見る事も知る必要もないような作業なのですが、それはそれは根気と努力の必要な作業なのです。。。

FRPの製品となる物はすべて 『♀型』 と呼ばれる型が必要で、この型造りの最終段階が型磨きです。

温度と湿度とを検知しながら、丁寧に磨きこんで作業を進めていきます。

 2009年 9月 21日 ルーフの1/1モデルが見えた日

      


とてつもなく重いポップアップルーフのマスター型を、恐る恐るルーフの上に重ねて、全形のイメージを確認しています。


これからさらに微調整をしていく訳ですが・・・、なかなか進歩が目に見えなくて、気の長~い日々の繰り返しです。

ボディの補強は出来たものの、本当に強度は大丈夫なのだろうか? 強度の検証をしなくてはなりません。


道路運送車両法に則り、所定の方法により歪ゲージを使い、写真の様にフル積載で実走行にて瞬間乗り上げテストを行い、そのデータを基に解析していきます。



ポップアップルーフを仮着けしてテントの採寸と、装着方法の確認をします。


これからの作業も試作と確認の繰り返しで、前進できそうでなかなかできない日々を送ります。

『3歩進んで2歩下がる』 ってな感じですね。。。

テントの採寸から試作品の完成までをわずか1週間程で・・・。。。  (これから再微調整の2回目へ・・・)

キャンピングカー広島にご協力いただいている縫製工場の社長さんの善意により、非常に助けられております。。。

       m(_ _)m 頭が下がります。。。

でも、微妙な時はキッチリと意見を伝えて修正や変更を繰り返していただいています。(^^;)


  2009年 12月 やっと内装部分に着手可能に

コンパクトなミニバンキャンパーを、いかに注目いただけるか!が懸かった『室内レイアウト』の一端、シートの配置とサイズの決定は、実際に車内にシートを持ち込んでの検討になります。
シートベースの設置場所と床補強のプレート位置、シートベルト取付け位置と補強も勿論、安全基準に従って検証を行います。

ポップ・コンのベース車 NV200の標準車には、室内トリムがありません。したがって室内の内張りを施工していきますが、弊社では作業性かつ断熱性を考慮し、FRP製オリジナルのインセットパネル(全5点セット)を造りました。この事により、完成後のメンテナンス性についてもかなり有利になると思われます。
インセットパネルの位置合わせと形状確認。
フロア面では、ガソリンFFヒーターの設置場所を検討中の様です。



キャンピングカーと成るからには、断熱には意識してしまいます。蓄熱しにくいFRP製ルーフにも断熱材を封入し、蓄熱しやすい鉄板ボディ部には反射断熱と吸収断熱の双方の採用と、室内トリムパネルも加えて断熱力を高めています。


ドライバーの視界の妨げには関係の無い、右クウォーターガラス部には、断熱効果を求めて窓埋め施工、室内には収納に役立つウォールラックを設ける事にしています。

セカンドシートは 1000mm幅のFASP製、サードシートは 500mm幅の同じくFASP製を採用する事にしました。

シートベースはすべてオリジナル。 小型車ですからシートベルトはもちろん3点式(安全基準にすべて適合)を装備しています。


まだシートがフラットになった状態しか確認できませんが、ベッドメイキング時のベッド長は 1920mm、運転者席を除いた室内全体がフラットになる予定で進んでいます。


さて、流し台などのギャレーはどこにどうなるのでしょうか???(^^)

サードシートの右横に低いボックスが出来つつありますが、これが 【POP.COM】 の流し台などのギャレーになります。

ポップ・コンが、はじめて『ダウンギャレーシステム』を採用しました。 狭い室内空間だからこそこのシステムが生かされる事になります。       


角度を変えて見てください。まだ製作段階で、細部はお見せできませんが、かなり想像が・・・つきますか?

シンクトップは丸型が付く予定です。ギャレーの後方にはサブバッテリーなどの電装関係の一部が収まります。
排水タンクは、車外床下にFRP製オリジナルの12㍑タンクを装備しています。


ダウンギャレーシステムの採用により、ギャレー内臓型の排水タンクはスペース的にNGです。車外より簡単に排水出来る、シャッターバルブを採用しています。

車室内からポップアップルーフ部を見上げると、元のルーフのカット部に当る所に『キャンピングカー広島製POP-UPルーフの特徴』である、木製無垢フレームがグルリと回ります。

【POP.COM】は小柄だけど大人っぽく、ダーク色にシルバーのピンストライプになりました。

天井を前側から後方を見ると。


構想を現実化するために、一つ一つ考えながら組みつけて行きます。


『ダウンギャレーシステム』 単に上下に作動するだけの事でも、各所細部に難所があり、見つめたまま考え込む時間も相当必要になるのです。。。

ひとつの難所がクリアできた様です。(^^) 作動状態をデモンストレーションしてもらいました。


スムーズな動きに満足いく笑顔はご覧のとおりです!

『ダウンギャレーシステム』 が完成したら、ご覧の様なギャレーになり、カセットコンロ ・ 調理台 ・ シンクの順に左から並びます。

  2010年 1月 いよいよ発表前の完成確認です。

 ”ワゴン車” 感覚の全席前向きシート



ダウンギャレーだからこそ出来るレイアウト

ギャレーを引き揚げるとこんな感じ

ギャレーを出したままでもベッド状態に


ポップ・コンは発売以来、セカンド・サードのシートをFASP社製のみで対応していましたが、ご要望の意見もあって 2012年 9月よりモールドハイバックシート

を使用した ポップコン  R-STYLE を追加設定してバリエーションを広げる事が出来ました。


さらに、2014年 2月には、団塊世代ブームの波に乗り ”ふたり旅 車中泊” を仕様化した、弊社オリジナルの『ワンタッチスイングシート&ベッド』を載せて、”簡

単で扱い易さの装備” を売りとした【ポップ・コン eE も追加設定し、数多くの皆様にご愛用戴いています




      

 

 POP.COM  R-STYLE           (シート色柄は【ブルー】です。)



  POP.COM eE      (シート色柄は、標準色柄【ブルーストライプ】です)